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セレッソ大阪の研究・分析ラボ

【2018/05/05 J1第13節】 セレッソ大阪VSフィファーレン長崎

@長居スタジアム 15:04キックオフ

公式記録 https://www.cerezo.jp/matches/2018-05-05-15/

試合前レビュー

ここ2試合を引き分けで迎えた今節、ここが本当の正念場。この引き分けをよしとするかどうかは今節の結果次第。さらにホームでの試合なので絶対に落とせない一戦となった。

GK 21キムジンヒョン
DF 2松田陸 14丸橋祐介 22マテイヨニッチ 23山下達也
MF 6山口蛍 17福満隆貴 43オスマル
FW 8柿谷曜一朗 13高木俊幸 18ヤンドンヒョン 

試合レビュー

前節に続きオスマルとホタルがボランチに入ったが、オスマルはホタルと横並びではなく、DFとの間におちてセカンドを狙いつつインターセプトも狙うので、非常に守備のバランスがよくなる。前半の出だしが良かったのは彼のポジショニングの良さが光った結果だろう。 オスマルは長短のパスを織り交ぜられるので、前線での柿谷とコンビネーションが合いだすと以前の扇原とのホットラインのような関係性を築くことができそうである。

ただ、ボランチに関して言うと、攻撃に移った時のポジショニングが気になる。特にサイドバックからサイドハーフあるいはトップがサイドに流れてそこにボールが入った際、もう一人のトップとボランチの一枚が絡むポジショニングが気になる。入ったタイミングで並行でボールを受けれている時はそこからの早い展開で脅威になっているので、ここはひとつセレッソの攻撃の大きなポイントだろう。ただ、連戦でフォローが遅くなっていることは致し方ない部分もあるのは確かだ。

前半は終始良いゲーム運びだった。ご存知の通り柿谷のスーパーテクニックでのゴールと丸橋の俊輔バリのフリーキックは見事。 前半のMVPは柿谷とオスマルを指名したい。

前後半ともに立ち上がり5分の守備での出足が非常に良いのでここ最近の2節のような展開にはならなかった。守備で出足が良い時はボールの取りどころがチームとしてはっきりしていて流動的にボールが取れる。セレッソの試合を通じての良し悪しはこの取りどころが作れているかどうかでほぼ決まるので、ここにまずは注目して良いだろう。

後半開始10分過ぎから徐々に長崎ペースになりだしたが、ここも問題はボランチとDFラインの関係性にあった。長崎の前線にトリッキーな形があるので、ボランチインターセプトを狙いづらくなり、DFラインに吸収され、空いたボランチのスペースを長崎に良いように使われ始めた。結果、DFラインの押し上げが効かず、ラインが下がりすぎ、そこを狙われた失点。クロスを上げた選手はそこをよく見ていた。その後も攻められるが、幸い長崎は細かいところでの技術的な問題が散見されるので、そこを狙いに徐々にペースを取り戻していったセレッソ。ここで引き戻したことは非常に評価できるが、これを上位陣相手にもできるようになっていかなければならないのが今後の課題だろう。

さらにこの失点直後に光ったのはユン・ジョンファン監督の采配だ。失点直後に慌てずに流れを読み、流れが戻ったところで問題点に蓋をしにいったのは見事だ。 71分に福満、柿谷を下げて水沼、山村を投入

調子は良さそうであったし、相方のヤンドンヒョンが全くこの試合ではよくなかっただけに、柿谷は不満が残ったであろう。ヤンは湘南戦などは前線でタメを作り、非常に効果的だったが、その後はこの試合含めあまり効果的な働きを見せられていない。彼にポストプレーが難しいのであれば彼を1トップ気味に前線に張らすのではなく、柿谷をトップに置き、中盤にヤンを落として一つ低いポジションでビルドアップの助けにさせたほうが柿谷の飛び出しもいかせて良いのではないだろうか。

両サイドの福満と高木に注目すると、今節は高木の良さは非常にでていた。最後のアシストも良かったが、積極的にドリブルを仕掛け、シュートまで行くシーンも多く見られた。ただ、やはりいつものごとく丸橋と高木のコンビネーションの悪さは気になる。高木にはボックス気味に中で受けられるようになって欲しい。そうすると丸橋のアシストは飛躍的に増えるだろう。前年を見ているだけに丸橋のアシストが封印されている今の状況はもったいない。逆に福満は少し可愛そうではあった。福満はどちらかというと清武のように中でボールを受けて、連携の中で自分を活かすタイプだが、左サイドが高木でワイドに張るのが好きなタイプなので思うようなボールの出し入れを行うのが、柿谷以外と合っていなかった。そんな中でもいくつかの見ごたえのあるシーンを作り出せたのは彼のポテンシャルの高さだろう。

最後になるが、相変わらず山口蛍とヨニッチは素晴らしかった。

あとがき

次節はセレッソにとっては分水嶺になりえる首位広島戦。2週間の休みがあり、杉本も復帰の可能性があるので是非ワールドカップ開始前最後の試合は勝ちで終わりたい。